病院における電子カルテの選び方は?選定基準とすべきことは?

コスト削減

現在、電子カルテは様々なメーカーから登場しています

病院への電子カルテの導入には一般的に1億円前後のコストがかかると言われています

選定に当たり、すべての電子カルテを試してみる訳にはいきませんし、選定期間は限られています

ではどのような基準で選定すればいいのか、電子カルテ経験者の筆者が重要と感じることを挙げて

いきたいと思います

選定基準

 

上記は重要と思われる順に記載しています

大きな買い物になるだけについつい費用面で検討しがちですが、導入を経験した立場から考えると、

まずは「必要な機能があること」「サポート体制がしっかりしていること」が重要と感じます

それでは各項目について解説していきます

 

必要な機能があること

電子カルテ導入時、一番重要視しなくてはならないことの一つが「操作する医師にとって使いやすい

ものかどうか」ということです

例えば、必要な情報が一画面で見られるかどうかで診察の効率は大きく変わってきます

・既往歴

・受診時の症状

・検査データ

・服用中の薬のデータ

などなど

必要な情報をいちいち画面を切り替えて見ないといけないのは大変なストレスと時間のロスです

それとパソコン入力の苦手な医師の場合、クラークが同時に開いて代行入力できるかということも

大切です

サポート体制がしっかりしていること

電子カルテ導入時は職員全員が操作初心者です

各部署の職員に適切な指導をしてくれる、マニュアルがしっかりしているなども重要なポイントです

導入時においては職員の操作の問題だけではなく検査の一括オーダーの設定やパスの設定、出力書類

のフォームの決定など様々な作業が発生しますのでそういった作業についても適切な説明ができ、

こちらの要望に沿った設定をしてもらえるようなサポート体制が必要です

導入時はどこのベンダーも手厚くサポートしてくれると思いますが、初期を過ぎてからもトラブル

対応をきちんとしてくれるかの確認も必要です

経費削減に貢献すること

電子カルテを導入するとペーパーコスト、人件費の削減につながると考えがちですが、以外とそうで

もないという意見も多く耳にします

人件費の部分については導入時に把握するのは難しいですが「せっかく電子カルテで作成した文書

なのに人の手で確認、手直しをしないといけない」なんていうお粗末な話もちらほら耳にしますので

ご注意を

操作性が良いこと

操作性は電子カルテメーカーによって千差万別です

できれば候補の電子カルテをいくつか決め、実際に操作指導をしてもらいどのような違いがあるのか

を知っておいた方が良いでしょう

また、その電子カルテを導入している病院を紹介してもらい見学に行くと、率直な意見を聞けるので

とても有効だと思います

連携するソフトなど(レセコンなど)との相性が良いこと

レセコンや受付機、自動精算機、画像システム、検査機器、その他病院で使用している機器との連携

がうまくできるかはとても重要なポイントです

導入前に必ず確認しましょう

スムーズな動作が保証されること

最近はクラウド型の電子カルテも多くなってきています

クラウド型電子カルテとは

院内にサーバーを設置しない

低コストで導入・運用できる

コンピューターとインターネット、ウェブブラウザがあれば場所や端末を問わずに利用可能で、初期

費用がオンプレ型電子カルテと比べてかなり安い

インターネット回線の状況により動作が遅くなったり停止したりする可能性がある

オンプレミス型電子カルテとは

院内にサーバーを設置

一般的に5年リースが必要で、5年ごとの定期的なシステムの買い替えのために、高額なコストが発生

院内のローカルネットワークにのみ接続するため情報漏洩リスクが少ない

表示するまでの時間が一般的にはオンプレミス型のほうが早い

耐久性

電子カルテには耐用年数があります

オンプレミス型だと、前述したように5年程度でサーバーの入れ替えをしないとデーター容量がオー

バーしたりハード(デスクトップなど)が古くなりすぎて不具合が頻発するなどの現象が起きてきます

導入時には5年後にかかるコストも念頭に置いておくことが大切です

ランニングコストが予算に見合うこと

毎月の保守料、定期的にかかるサーバー入れ替え料(オンプレミス型の場合)、ハードの故障などの

入れ替え料金、新しいソフトとの連携費用などが発生してきます

資金の準備は計画的に行いましょう

価格が妥当なこと

最後に価格です

機能が自院に合っている電子カルテでコスト対メリットが納得できる物を選びましょう

くれぐれもコスト優先で決定しないことをオススメします

今の財政で導入できる機種を慌てて導入するより、資金を確保してしっかり役立ってくれる機種を導

入することがなにより大切です

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